18年前のスクールカースト

ふとしたきっかけで、高校の時にほぼ話したことのない同級生に連絡を取ることになりました。

高校時代の一番仲良かった友達Aに、かなちゃん(仮名)の連絡先知らないかなあ?ときかれ、Facebookでみたことあるからメッセージを送れると思う、と答えてしまったから。AはFacebookをやっていないし、やる気もないようで、じゃあ私のメールアドレスを連絡してくれるかな?と頼まれてしまったのでした。
 
かなちゃんがFacebookをやっていて、そこに子供のことや作った料理のことを投稿しているのを私はだいぶ前から知っていたのでした。かなちゃんは高校時代からとても美人で有名で、いわばスクールカーストの上の方にいる女の子だったので、冴えない女子高生だった私もよく知っていて、ふとFacebookをやっている友人伝いでアカウントを発見して、時々フィードを覗いていたのです。お友達申請はせずに。
かなちゃんは相変わらず美人で、かわいい娘がふたりいて、暖炉のあるステキな一軒家で暮らしていて、おそろしくクオリティの高いキャラ弁やら手作りのお菓子を作ったり、娘の少食に悩む、とても素敵なママになっていました。martのモデルなら余裕でできると思う、ほんとに。
 
私は前述の通り冴えない女子高生だったので、かなちゃんが私のことを覚えている気がまったくしませんでした。
いつか読んだ小説、桐島部活やめるってよ、に出てくるスター軍団の花形女子だったかなちゃんは、自分とはまったく違うステージにいると思っていたし、認識されていないか、もしくはちょっと馬鹿にされてるんだろうな…と思っていたのです。実際はどうだったんだろう?
 
コンプレックスだらけだった高校時代に比べたら、35歳の今の方が、都会にいるし、バリバリ…まではいかなくてもそれなりにしっかり仕事をしてるワーキングマザーだし、美味しいお店も知ってるし、老けないように気をつけてるし、と随分マシになったと思うんですが、それでも、スクールカーストの上位だった人、あるいは上位だったであろう人を見ると怯んでしまう、どうしても同じレベルで話せなくて卑屈になってしまうところは変わらず、自分でも苦笑いしてしまいます。
 
そんなわけでいろんなことを思いながらかなちゃんにメッセージを送信したのですが、その後、かなちゃんから、「連絡ありがとう。しょうこちゃんもちろん覚えてます、Facebookの写真、高校時代と変わらない笑顔だね♡」という返信をもらいました…
 
いやほんと…高校時代にコンプレックスがなかった、ってこういうことだよなと。かなちゃんはあくまで綺麗で優しくて、私は表面的には体裁を整えても、中身はコンプレックスだらけ。
たけど、うまくいえないけど、私も、もうちょっと自信もって頑張ろう!とも思いました。あれから18年、それなりにがんばってやってきたしね、私も。
あと20年くらい経って完全におばさんになったら、こんなコンプレックスもまったく亡くなってしまうのかな。35歳で完全なおばさんじゃないというのも図々しい話かもしれないですが(泣)、なんかまだ色々捨てきれないんですよね。とはいえ、17歳の頃の繊細で無垢な感受性はもうだいぶ失われていますけども。
 
朝井リョウさんの小説を読むと、あの頃のコンプレックスを生々しく思い出します。桐島、読み直してみようかな。
 

 

桐島、部活やめるってよ (集英社文庫)

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何者 (新潮文庫)

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何者

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Mart(マート) 2015年 09 月号 [雑誌]

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ほんと、読書モデルのように綺麗な人なんですよ 。